臨床工学科
医療機器の先にある命を守る
エンジニアでありたい
医療機器は今や医療に欠かせない存在であり、高度医療を支えている中心は医療機器といっても過言ではありません。
臨床工学技士は、CE(Clinical Engineer)とも呼ばれ、医療機器の機能性や安全性の向上・維持を業務指針とし、医療機器を介して安全な医療が提供できるように業務を行っています。当院での臨床工学科の業務は、機器管理業務・人工呼吸器管理業務等・血液浄化業務・カテーテル室業務・手術室業務など、機器管理から臨床支援業務まで幅広い業務や診療科に従事をしています。医療機器の進歩や社会、地域のニーズに応じて業務範囲を年々拡大している事が特徴です。
スタッフ紹介36名(2024.6.1現在)
取得認定資格など
呼吸治療専門臨床工学技士/心・血管カテーテル関連専門臨床工学技士/不整脈治療関連専門臨床工学技士/認定血液浄化臨床工学技士/認定集中治療臨床工学技士/認定医療機器管理臨床工学技士/周術期管理チーム臨床工学技士/三学会合同呼吸療法認定士/
透析技術認定士/CDR認定/植込み型心臓デバイス認定士/心血管インターベーション技師ITE/第1種ME技術実力検定
医療機器管理業務
点滴治療に欠かせない輸液ポンプやシリンジポンプをはじめ、人工呼吸器や除細動器等様々な医療機器をME機器管理室にて管理をしています。いつでも、安心、安全、清潔に医療機器が使用できるよう臨床工学技士が点検し、安全な使用が誰でもできるよう使用方法等の勉強会を定期的に開催しています。
呼吸管理
呼吸療法には、酸素を吸入する酸素療法や人工呼吸器を使用し人工呼吸を行う人工呼吸療法などがあります。酸素療法や人工呼吸療法には様々な医療機器があり、患者様の状態に合わせて機器を選択したり設定したりする必要があります。臨床工学技士は医療機器のスペシャリストであり、それらが適切に行われるように管理を行います。また、機器が安全に作動するように機器の点検整備を行っています。使用前後の点検整備だけではなく、使用中のラウンドにて、安全かつ適切に治療が行われていることを確認しています。更に他職種との連携することで、治療の質を高める一員として尽力しています。
血液浄化業務(病棟透析、ICU)
血液浄化業務は、急性・慢性腎不全の方に行う血液透析、重症の方に行う持続的腎代替療法(CHDF)や血液吸着療法(PMX)等に携わります。患者様の状態に合わせて治療ができるように、治療法や装置の選択、物品の選択や装置の設定等を提案します。治療を行う際は、装置のセットアップや操作、治療中の全身管理や装置の管理を行います。また、治療終了後に装置のメンテナンスを行います。治療は集中治療室、透析室、一般病棟と様々な場所で行いますが、他職種と連携し安全に血液浄化療法ができるように心がけています。
カテーテル業務
カテーテル検査および治療は,現代医療の血管内治療において重要な位置をしめるようになり,カテーテルを用いた内科的治療は外科的手術の件数を大幅に超えています。当院の臨床工学科のカテーテル業務は大きく2つ分類され、心臓カテーテル治療と脳カテーテル治療に従事しています。
- ①心臓カテーテル室業務
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心臓カテーテル業務は、清潔ガウンを着て医師と協働する清潔介助業務と、物品出し、血管内超音波(IVUS)やローターブレンターの機械操作、カテーテルの記録の記載等を行う外回り業務があり、多くの業務を担っています。
- ②脳カテーテル室業務
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脳カテーテル業務では、物品出しや麻酔器の点検・管理等の業務を担っています。一次脳卒中センター(PSC)コア施設としての役割を担えるようにサポートをしています。
不整脈業務
- ①アブレーション業務
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アブレーション業務では、3次元マッピング装置・電気生理学的検査装置の操作、清潔ガウンを着てサード業務(物品出し、機械・カテーテルの準備等)を実施しています。2021年度から始まったばかりの分野ですが先生方の尽力もあり徐々に症例数も増加しつつあります。
- ②デバイス管理業務
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臨床工学技士のデバイス管理業務は、ペースメーカーインプラントの立会い、病棟や外来におけるペースメーカーチェック、電気メスを使用する手術・MRI検査での電磁干渉に対する設定変更、遠隔モニタリング管理、ペースメーカーインプラント後の患者指導などです。2021年度より不整脈専門医が就任したことにより、より専門的な知識が臨床工学技士に求められるようになりました。また、当院では遠隔モニタリング管理にも力を入れており、患者様のQOLがより良いものになるよう尽力しています。
手術室関連業務
当院手術室には臨床工学技士が常駐しており、手術に関わる医療機器の点検管理を主とする医療機器管理業務と手術中の医師にメスや鉗子等の手術器械を手渡す器械出しや外回り業務を主とする手術室業務に従事しています。医療機器管理業務では、手術に使用する様々な機器の始業点検や定期点検を行い、医療機器がいつも安心して安全に使用ができるよう準備をすることで円滑な手術支援に貢献をしています。2021年度より新たに自己血回収装置の準備・操作やda Vinci業務も加わり、管理する医療機器は年々増加しています。また、2023年度より消化器外科領域における腹腔鏡下でのスコープオペレーター業務を開始するなどタスク・シフト/シェアに取り組んでいます。医師や看護師と連携を取りながら、より良い医療を提供できるよう尽力しています。
NICU業務
NICU(新生児集中治療室)では、赤ちゃんの発育のために胎内と同じ環境に近づけて治療の補助をする保育器や、呼吸を補助する呼吸器の日常的な点検、保守を行い安全、安心な治療のサポートをしています。
ICU(集中治療室)業務
集中治療室での治療が必要な患者様は、人工呼吸器、血液浄化装置、補助循環装置など様々な分野の医療機器を装着し治療をします。幅広い知識をもって治療に携わるとともに、集中治療室医療チームの一員として他職種との協働を重視し、高度な医療が提供できるように尽力しています。
就職をお考えの方へ
医療法人社団石鎚会の臨床工学科は、京都田辺中央病院、京都田辺記念病院、同志社山手病院の3施設において、血液透析からME機器管理まで多岐にわたる業務に従事し、医療チームの一員として医師や各部署のスタッフと連携し、幅広い業務にチャレンジしています。
入職後は資格取得サポートや学会発表サポートも充実、ステップアップを全力でサポートします。
子育て世代や女性にも働きやすい職場を目指し、働き方改革を進めています。男性の育休取得実績もあり、有休取得率100%を目指しています。