泌尿器科
泌尿器科のご紹介
外来部門は、一般的な泌尿器科外来と、前立腺と小児泌尿器科の専門外来に分けて診療しています。
京都府立医科大学附属病院と連携して、患者様に納得していただける医療を提供し、微力ながら地域医療の一端を担えるようにしたいと考えております。
主な対象疾患
- 腫瘍(前立腺がん、膀胱がん、腎がん、腎盂尿管がんなど)
- 尿路感染症(膀胱炎、前立腺炎、尿道炎、腎盂腎炎)
- 結石(尿管結石、腎結石、膀胱結石)
- 排尿障害(前立腺肥大症、過活動膀胱、神経因性膀胱、尿失禁)
- 小児泌尿器科疾患(夜尿症、停留精巣、膀胱尿管逆流症)
泌尿器科の特色
前立腺肥大症
前立腺が年齢とともに肥大することにより、尿道が圧迫されて排尿障害をもたらす病気です。
生命に関わる病気ではありませんが、放っておくと尿が全く出なくなることもあります。薬物療法から開始して効果が不十分であれば、当院ではRezum(レジューム)システムを使用した経尿道的水蒸気治療(WAVE治療)を行います。
WAVE治療とはペニス先より機器を挿入して、103℃の水蒸気を約9秒間前立腺に噴霧し、前立腺組織を約70℃まで上昇させ組織を壊死させる治療法です。
治療時間は10分程度で体への負担も少なく、治療効果は2週間から1か月程度で現れ、長くても3か月後には排尿状態の改善が期待できます。
前立腺生検
2022年9月より当科では、MRIとエコーを合成した画像に基づく前立腺生検が行える
「KOELIS TRINITY(コエリス トリニティ)」を導入しております。
PSA検査の値はがんだけでなく、様々な良性疾患でも上昇することがあります。そのため、前立腺がんの確定診断には前立腺に針を刺して組織を採取し、がんの有無を調べる前立腺生検が必要となります。
これまでの前立腺生検は肛門からエコー機器を挿入し、超音波画像を確認しながら、前立腺の決められた位置に針を刺し組織を採取していたため、がんを見落とす可能性がありました。
今回導入した機器では、事前に撮影したMRIの画像とエコーの画像を合成することが可能となります。合成した画像では、MRIで見つかったがんが疑わしい部位の位置や大きさが3次元画像としてリアルタイムで正確に把握でき、より精度の高い前立腺生検を行うことができます。
がんの早期発見など診断精度の向上に繋がるだけでなく、より適切な治療方法の選択・提供にも繋がるものと考えております。
前立腺がん
前立腺がんは増加傾向であり、最も注意すべき悪性腫瘍の一つです。
検診などで行う血液検査(PSA:前立腺腫瘍マーカー)は非常に役に立つ検査であり、PSAの結果が4ng/ml以上であれば、速やかに泌尿器科を受診し、精密検査を受けて頂くことをおすすめします。
前立腺がんの疑いが強い場合、組織検査(生検)をおこないます(当院では1泊2日の入院で行っています)。組織検査で前立腺がんが判明した場合、年齢、がんの悪性度、進行状況により、手術、放射線療法、内分泌治療などの中から、個々の患者様に適した治療方法をご提案します。
腎がん
腎臓に発生するがんで、初期であれば自覚症状はなく、CTや超音波検査で偶然発見されることも多くあります。
転移がなければ、摘除術や部分切除術で根治を目指します。
当院では、従来の腹腔鏡手術からロボット支援手術へ移行しており、より正確で精密な手術操作が可能となっております。
尿路結石
尿の通り道のどこかに石ができる病気で、場所によっては強烈な痛みを伴います。
結石の大きさと部位に伴い、薬物療法、経尿道的尿路結石砕石術(TUL)、体外衝撃波結石砕石術(ESWL)の中から最適な治療方法を選択します。TULは麻酔をかけた痛みを伴わない状況で、尿道から細い内視鏡(尿管鏡)を挿入して、レーザーにて結石の砕石を行う治療です。ESWLも安全な治療ですが、レントゲンに映りにくい結石や骨盤に囲まれた結石の砕石には不向きであり、TULの方が確実です。当院では最新のレーザー(ホルミニウムレーザー)と軟性尿管鏡を導入しておりますので、安全かつ確実な治療が期待できます。
膀胱がん
痛みの無い血尿があれば、膀胱がんを疑い膀胱内の内視鏡検査が必要となります。
当院ではオリンパス社製の細径軟性膀胱ファイバーを導入しておりますので、より痛みの少ない検査が可能です。
また膀胱がんを認めた場合には、内視鏡下手術(TUR-Bt)を行い、可能な限り膀胱を残すようにしています。表在性の膀胱がんは、この手術で切除可能です。
尿路感染症
適切な抗生剤治療を行います。尿路通過障害や膀胱尿管逆症などの原因の有無についても精査します。
夜尿症
おねしょ(夜尿症)で悩んでいるお子さんは6歳で10人に1人、10歳でも20人に1人います。
何もしないで様子をみるだけでは、1年で1割程度のお子さんしか良くなりません。しかし適切な治療を受ければ、1年で5割程度のお子さんが良くなります。
小学校高学年になるといろいろ支障が出てきますので、症状に応じて7、8歳頃から薬による治療やアラームを用いた治療を開始します。
医師紹介
泌尿器科部長 兼 低侵襲手術センター副センター長
大橋 宗洋(おおはし むねひろ)
- [出身大学]
- 京都府立医科大学
- [専門医等]
-
日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本泌尿器科学会、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会泌尿器ロボット支援手術プロクター
日本内視鏡外科学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本超音波医学会超音波専門医
- [所属学会]
- 日本泌尿器科学会/日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
日本泌尿器腫瘍学会/日本臨床腫瘍学会/日本癌学会/日本癌治療学会
日本超音波医学会
人工透析内科部長
萩原 暢久(はぎわら のぶひさ)
- [出身大学]
- 京都府立医科大学
- [専門医等]
- 医学博士
日本泌尿器科学会専門医・指導医
透析専門医
- [所属学会]
- 日本泌尿器腫瘍学会/日本臨床腫瘍学会
日本透析医学会/日本腎臓学会
泌尿器科医員
長野 優太(ながの ゆうた)
- [出身大学]
- 京都府立医科大学
- [専門医等]
- 日本泌尿器科学会専門医
- [所属学会]
- 日本泌尿器科学会/日本超音波医学会
- [応援]
- 浮村 理 京都府立医科大学泌尿器科 教授
内藤 泰行 京都府立医科大学泌尿器科 講師